プロジェクトへの想い

本プロジェクトは、写真を通じて、多様性、発見力、注意力、観察力、コミュニケーション力、探究心など、生きていくために必要な様々な感性と知恵を楽しみながら学び、身につけていきます。
同時にカメラを通して、“意識して”自分が住むまちをみる機会を作り、まちへの愛着を深めていきます。
「写真を撮る・観る」プロセスを通じて、「生きるために必要な感性・知恵」「故郷を好きでい続ける、ふるさと心」この、2つを醸成していくことを目的としたカリキュラムとして、2016年よりスタート。
これまで、富山市、舟橋村、宮古島、飯塚市、東京都(中央区)、など20を超える学校・施設で実施してきました。
一昔前であれば、写真を撮るという行為は、プロのカメラマンであったり、趣味でカメラを持っている人たちのものでした。しかし、近年スマートフォンの登場により、写真を撮るという行為は誰にとっても身近なものになり、それはもちろん、小学生にとっても同様です。
子どもたちはそんな、身近なアイテムを使うことを楽しみ、楽しいからこそ学んでいきます。
1. 育てたい子供像
少子化に伴い、学年で1クラスのみの学校や少人数のクラスも多くなってきています。
そういったクラスでは、小学校に入学してから卒業まで、転入、転出でもない限り、仲間たちの変化は少なくなります。そうなると、「この子は頭がいい」「この子は運動ができる」「この子は〇〇が得意」など、役割が決まっていき、それが予定調和のようになり、新たな一面を発見しにくくなっていきます。
この写真を使った教育では、子供たちの間に新たな価値観の発見を促し、発展させることを目標としています。
ここでいう、価値観とは、
・多様性を認め合う(押し付ける多様性ではなく、尊重し合う多様性)
・発見力、注意力を磨く(「観る」力)
・コミュニケーション能力の向上(自己表現力、推察力、感受性)
・地域の魅力の発見によるシビックプライドの醸成
2. 「写真“を”教える」から「写真“で”教える」
「写真“を”教える」では、写真の撮影の仕方や被写体の角度などの技術的な教育に偏ってしまう。
「写真“で”教える」では、技術的なことではなく、よく観察することで得られる感じ方や、物の見方・捉え方を理解してもらうような教育を目指しています。
3. 子どもの心に火をつける
カメラという特別なアイテムを手にすることによって、子供の目が輝きだす。
子供たちが思い思いの写真を撮影することは、教えられたことを覚える受動的な授業とは異なり、自ら能動的に考え、行動していくので、「好奇心」「観察力」「感性」「探究心」といった心に火をつけさせることができます。

この授業を通じて、同じものを撮っても、みんな違って、みんないい。という多様性を認め合い、自分の周りには、知ろうとしないと見えないものがあるということに気が付き、好奇心を持って、じっと観察してもらうきっかけにしてもらいたい。
子供たち自身に、思い(考え)を相手に伝えるということが、いかに難しいかを知ることによって、コミュニケーションには言葉だけだなく、態度でも伝えられることを理解してもらいたい。
そして、自分の住む地域がいかに素晴らしいかを心に留め、広い世界に羽ばたいた後でも、子供のころ暮らした場所を誇りに思うようになる、そんな人材を創出していくことを目指しています。
過去実施校
2016年10月(富山市)
・桜谷小学校
2017年6月(富山市)
・柳町小学校
2018年9月(富山市)
・神明小学校
・上条小学校
2019年12月(富山市)
・保内小学校
・四方小学校
2020年9月(富山市)
・長岡小学校
・水橋西部小学校
2021年12月(富山市)
・岩瀬小学校
・船峅小学校
・水橋東部小学校
・音川小学校
2022年8月(富山市)
・熊野小学校(2クラス)
2022年10月(宮古島)
・宮古島(学童)
2023年(富山市)
・呉羽小学校(3クラス)
2024年7月(富山市)
・神通碧小学校
2024年10月(福岡県飯塚市)
・立岩小学校(4クラス)
・小中一貫校頴田校
2025年6月(富山市)
・草島小学校
・大広田小学校、浜黒崎小学校
2025年7月
・舟橋村小学校(舟橋村)
・神通碧小学校(富山市)
2025年9月(富山市)
・新庄北小学校(3クラス)
2025年10月(東京都中央区)
・城東小学校
運営母体

- 一般社団法人 Tokyo Institute of Photography
- 2010年8月設立
- 理事長:寺内雅人
TOKYO INSTITUTE OF PHOTOGRAPHY(T.I.P)は、2010年8月、株式会社シー・エム・エスの創立20周年と写真雑誌『PHaT PHOTO』の創刊10周年を記念して、“一人でも多くの若者を「写真好き人」に変える”という目的をより視覚化できる場所として、誕生。アートとしての写真や写真の教育分野において、これまで様々な取り組みを実施してきた。
企業・団体との連携
本プロジェクトに賛同する企業、団体協力のもと、さまざまな地域で授業を実施しております。

子どもたちが授業で使用するカメラは、全国でカメラ・レンズのレンタル事業を主に手がけるGOOPASS株式会社様が無償で全面バックアップ。
これまで実施してきた、ほぼすべての小学校における、授業の根幹の一つとなる、子どもたちが写真を撮るために最適なカメラのサポートをいただいております。


NPO法人 住学協同機構「筑豊地域づくりセンター」は、いくつかの研究会にわかれ、福岡県筑豊地方の新たなイメージアップの創出や、活性化の取り組みに尽力しています。そのセンター内で、2022年より新たに発足した、写真を通じたまちづくりを行う、写真家2.0/筑豊地域おこし写真研究会と連携し、福岡県の飯塚市を拠点とした、小学校での授業を2024年よりスタート。
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